(亜洲経済= 金在桓 記者)日立製作所は21日、カナダのサスカチュワン州政府と火力発電所の二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)技術の実証実験やスマートグリッド(次世代送電網)など5分野で協力することに合意し、日立本社で共同声明に調印した。
中西宏明社長は2020年までにカナダでの環境・エネルギーの累積事業規模を1000億円にまで高めるとともに、シンガポールなどでも同様の協力事業を展開したい考えを示したと産経新聞が報じた。
日立はサスカチュワン州の電力公社と2月、CCSの実証実験と石炭火力発電所の効率化で協力することに合意し、すでに事業を始めている。州政府との合意で、2つのプロジェクトの継続が確実になるとともに、太陽光発電や風力発電などの分野でも事業が進められる。具体的な事業内容は今後、詰める。
中西社長とブラッド・ウォール州政府首相は調印式後に会見した。首相は同州ですでに始めたCCS実証実験が実績を積んでいることを強調したうえで「CCSは地球温暖化対策の必要性から計り知れない可能性がある」と、日立との協力関係に大きな期待を寄せた。
中西社長も「日立でもCCSの技術開発は進めているが、実証実験に参加し、ビジネスモデルを提示できることには大きな意義がある。今後のビジネス展開でも共同で行うことはあり得る」と述べ、州政府や電力公社と北米などで事業化したい考えを示した。また、州政府と協力関係を結ぶ意義について「CCSのような事業は長期間にわたる。資源価格の乱高下で計画がストップするようでは技術が進まないので、政府の関与が重要だ。(ほかの国でも)政府の協力を得る努力をしており、シンガポールでも同じような展開を図りたい」と述べた。
日立では昨年11月にも、中国で経済政策を担う国家発展改革委員会と、地球温暖化対策や省エネなどで事業協力することに合意した。3月には北京で政府関係者ら450人が参加した交流会が開かれ、高効率発電やスマートグリッド、地下鉄などの分野で事業の具体化に向けた話し合いを進めた。
5月には天津市の塩田跡地を活用した大規模環境都市プロジェクト「天津エコシティ」でも協力することが決定。日立がスマートグリッドや電気自動車の充電システムなどで協力する予定で、事業拡大への布石とする。
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